運行管理者の基礎講習・一般講習とは?違い・費用・オンライン受講まで解説

運行管理者の「基礎講習」と「一般講習」。名前は似ていますが、目的も対象者も費用もまったく違います。「試験を受けるために基礎講習が必要なのか」「一般講習は誰が受けるのか」「オンラインで受けられるのか」と迷う人も多いと思います。私は基礎講習を受けたうえで、運行管理者試験に4回目で合格しました。自分の体験と、公式の情報をもとに、2つの講習の違いをまとめます。

この記事のポイント

  • 基礎講習は、運行管理者試験の受験資格(実務経験1年以上)の代わりになる講習。3日間・16時間、NASVAは8,900円
  • 一般講習は、運行管理者に選任されている人が定期的に受ける講習。最後に受講した年度の翌年度末を経過した人などが、法令上の受講対象となる
  • 2024年度から、オンライン(eナスバ)でも受講できる。基礎講習は9,560円、一般講習は3,860円
  • 私が受けたのは、トラック協会の対面の基礎講習(3日間)。年齢も性別もさまざまな人がいた
目次

基礎講習と一般講習の違い

まず、基礎講習と一般講習の違いを表にまとめます。

項目基礎講習一般講習
目的運行管理に必要な法令や業務の、基礎知識を身につけるすでに運行管理者に選任されている人などが受ける
主な対象運行管理者になりたい人、運行管理者試験を受けたい人、新たに運行管理者に選任された人すでに運行管理者に選任されている人
受けられる時期・頻度受験資格を得るための基礎講習は1回の修了で要件になります。新たに選任され、過去に基礎講習を受けていない人には選任時の受講要件があります最後に受講した年度の翌年度末を経過した人が受講対象となる。「翌年度末までに次を受講」という意味ではない
受講の効果運行管理者試験の受験資格になる。運行管理者の補助者に選任できる運行管理者としての義務の履行(講習の受講)
費用の例(NASVA)対面8,900円、オンライン(eナスバ)9,560円オンライン(eナスバ)3,860円

※費用は、講習を実施する機関や年度によって変わります。申し込む前に、必ず実施機関の案内を確認してください。

基礎講習とは:受験資格になる3日間の講習

基礎講習とは:受験資格になる3日間の講習

基礎講習は、「運行管理を行うために必要な法令や業務などの基礎知識を身につける」ための講習です(NASVAの案内による)。3日間・16時間で行われます。

  • 運行管理者試験の受験資格になる: 試験の受験資格である「運行管理に関する1年以上の実務経験」の代わりに、基礎講習を修了することで受験できます(試験の基本情報はこちら)
  • 運行管理者の補助者になれる: 基礎講習を修了した人は、運行管理者の補助者に選任できます(貨物自動車運送事業輸送安全規則 第18条第3項)
  • 新任の運行管理者は必須: 新たに運行管理者に選任された人は講習の受講対象です。過去に基礎講習を受けていない場合の講習の種類や詳細な期限は、実施機関の案内で確認してください

つまり、実務経験がなくても、基礎講習を修了すれば運行管理者試験を受けられるということです。私も、基礎講習で受講したテキストを使って試験勉強をしました(勉強方法はこちら)。

私が受けた基礎講習(トラック協会・対面)

私が受けた基礎講習(トラック協会・対面)

私が受けたのは、トラック協会が実施している対面の基礎講習です。

  • 日数・時間: 3日間で、合計16時間です(NASVAの案内)
  • 費用: 私は会社に負担してもらったので、金額は覚えていません
  • 参加者: 年齢も性別もさまざまで、老若男女がたくさんいました。「運行管理者になる人はこんなに多いんだ」と感じました
  • 最後の確認: 最後に、試験があった記憶があります。ただ、はっきりとは覚えていません。修了の条件は、実施機関や年度によって違う可能性があるので、申し込み先の案内で確認してください

体験の細かい部分は、記憶があいまいな点もあります。ここから先の日程・費用・申し込み方法は、公式の情報をもとに書いています。

基礎講習の費用・日程・申し込み方法

基礎講習の費用・日程・申し込み方法

対面で受ける場合

対面の基礎講習は、NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)のほか、各地のトラック協会などの認定を受けた機関が実施しています。日程・会場・費用は機関ごとに違うので、受けたい機関の案内で確認します。

  • NASVA: 全国各地の会場で開催。基礎講習は、受講料8,900円(税込)。予約は、NASVAの講習予約システムで、年度・場所・講習の別(基礎/一般)・業態(貨物/旅客)・方式(対面/動画)を指定して探します
  • トラック協会など: 都道府県ごとに、独自に日程を組んでいます。会員向けに受講料の助成がある協会もあります(内容は協会ごとに違います)

ひとつの例として、NASVA大阪主管支所の令和8年度(上半期)の基礎講習(貨物)の案内を見ると、開催は3日間で、講習の開始は初日が10:00、2日目以降は9:30です。受講料は8,900円(消費税・テキスト代を含み、受付時に現金で支払い)、持ち物は予約確認書・筆記用具・受講料・顔写真付きの身分証明書です。

このときの注意点は、遅刻と欠席です。案内には、「遅刻・早退・退席については、規定の項目・時間を必ず修了することが必要のため、原則、遅刻・早退・途中退席は認めていません(未修了扱いとなります)」と書かれています。3日間、しっかり時間を確保しておく必要があります。

オンラインで受ける場合(eナスバ)

2024年度から、NASVAのeラーニング「eナスバ」で、基礎講習・一般講習をオンラインで受けられるようになりました。

項目内容(NASVAの案内)
受講料基礎講習9,560円(テキスト配送料を含む)、一般講習3,860円(いずれも税込)
受講の方法インターネット環境があれば、自宅や職場など、どこでも繰り返し受講できる
開講・期間毎月1日に開講(4月・5月を除く)。受講期間は30日間
基礎講習の制限1日に受講できるのは6単元まで
支払い方法クレジットカードまたはPay-easy(ペイジー)
必要なものWebカメラ付きのパソコン・タブレット・スマートフォン、本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポート・在留カードのいずれか)、メールアドレスなど
修了の条件すべての講義動画の視聴と、試問(解説を含む)を修了すると、修了証明書をダウンロードできる

平日に3日間まとまった休みを取りにくい人は、オンラインが選択肢になります。対面より費用は少し高くなりますが、自分のペースで進められます。ただし、「受講期間の30日間で終わらせる」必要があります。

一般講習とは:運行管理者が定期的に受ける講習

一般講習は、すでに運行管理者に選任されている人などが受ける講習です。貨物自動車運送事業輸送安全規則 第23条で、事業者は次の運行管理者に、認定された講習を受けさせなければならないと定められています。

  • 死者や重傷者が出た事故を起こした事業用自動車の運行を管理する営業所などで、選任されている運行管理者
  • 運行管理者として新たに選任した人
  • 最後に講習を受けた日の属する年度の、翌年度の末日を過ぎた人(受講対象になる時期を定めた規定。具体的な受講時期は告示・実施機関の案内と合わせて確認します)

ですから、運行管理者として選任されている人は、前回受講した年度の翌年度末を経過した場合には、講習の受講対象となることになります。受講の時期は、事業者が自分で把握して、受けさせる必要があります。

オンライン(eナスバ)なら、一般講習は3,860円です。対面の一般講習は、実施機関によって費用・日程が違います。

講習を受けたあとの証明について

NASVAの案内では、2025年4月1日から、修了の証明が「修了証明書」の発行になりました。手帳への証明は行われなくなり、講習受講時に手帳の提出は不要になりました。ただし、本人確認のため、顔写真付きの身分証明書の持参が必要です。修了証明書は、試験の申請や、選任の手続きで使う大切な書類なので、なくさないように保管しておきましょう。

補足:講習を5回受けると、資格の要件になる?

検索では、「運行管理者 講習5回」というワードも見かけます。これは、輸送安全規則 第24条に、運行管理者の資格要件として、「運行の管理に関して5年以上の実務の経験を有し、その間に、認定された講習を5回以上受講した者」と定められているためです。

ただし、実際に資格を取る手続き(どの書類が必要か、どこに申請するか)は、条件が細かいので、私のほうでは詳しく説明できません。該当しそうな人は、管轄の運輸支局や運行管理者試験センターに確認してください。

よくある質問

基礎講習を受けたら、運行管理者になれますか?

基礎講習を修了すると、運行管理者の補助者になれます。運行管理者になるには、原則として運行管理者試験に合格し、資格者証の交付を受けます(実務5年以上と講習5回以上の道もあります)。基礎講習は、試験を受けるための入口の1つです。

試験の前に、基礎講習を受ける必要はありますか?

運行管理に関する1年以上の実務経験がある人は、基礎講習を受けなくても受験できます。実務経験がない人は、基礎講習を修了することで、受験資格を満たせます。

基礎講習と一般講習、どちらを先に受けますか?

運行管理者に新たに選任され、過去に基礎講習を受けていない人は、基礎講習の受講対象です。一般講習は、すでに運行管理者として選任されている人が、そのあとで定期的に受ける講習です。

講習の費用は、会社が出してくれますか?

会社によって違います。私の場合は、会社が負担してくれました。トラック協会の会員企業には、受講料の助成がある場合もあるので、勤務先に確認してみてください。

基礎講習のテキストは、試験勉強に使えますか?

使えます。私は、基礎講習でもらったテキストを使って、試験の勉強をしました。ただ、テキストを読むだけだと足りなかったので、問題を解く練習もあわせてしてください(勉強方法の記事もどうぞ)。

まとめ

基礎講習は「受験資格になる、3日間の入門講習」、一般講習は「運行管理者が定期的に受ける講習」です。どちらも、対面のほかに、オンライン(eナスバ)でも受講できるようになりました。基礎講習を受ける人は、3日間の遅刻・欠席に気をつけて、事前に日程を確保しておきましょう。

出典

・「基礎講習|独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)」
・「eラーニング(eナスバ)【運行管理者等指導講習】について|NASVA」
・「講習・認定セミナー予約システム|NASVA」
・「令和8年度運行管理者等基礎講習(貨物)開催のご案内(上半期)|NASVA大阪主管支所」
・e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業輸送安全規則」(第18条、第23条、第24条)
(いずれも2026年10月11日確認)。料金・日程・手続きは、機関や年度によって変わります。受講にあたっては、必ず実施機関の最新の案内をご確認ください。

受験資格として利用する基礎講習は、平成7年(1995年)4月1日以降に修了した、受験する区分と同じ種類の講習が対象です。修了予定で申請する場合は、指定期日までの修了と必要な登録が求められます。詳しくは試験センターの受験資格案内を確認してください。

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この記事を書いた人

運管現場の運営者「ケイ」です。大型第二種免許と運行管理者資格(貨物)を持ち、運送会社での配車・運行管理、長距離トラックドライバー(無事故)を経験しました。現在は工場倉庫でフォークリフト作業をしています。現場の実感を交えて、運行管理者試験(貨物)の対策情報をお届けします。

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